イベルメクチンは、本当に新型コロナウイルス感染に効くのでしょうか?
これまで、新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの予防/治療効果に対する研究は多数なされましたが、決定的なエビデンスがなかなか明らかにならず、医師の間でも、評価が分かれていました。
しかし最近になり、非常に信頼性の高い臨床研究が複数発表されるようになり、イベルメクチンの非常に高い予防/治療効果が明らかとなってきました。
これから特にインパクトの大きい研究結果をいくつかご紹介します。
イベルメクチン治療のメタアナリシス
メタアナリシス(meta-analysis)とは、複数の研究の結果を統合し、より高い見地から分析すること、またはそのための手法や統計解析のことです。メタ分析、メタ解析とも言います。ランダム化比較試験(RCT)のメタアナリシスは、根拠に基づく医療 (EBM、evidence-based medicine) において、最も質の高い根拠とされます。
参考までに以下は、皮膚悪性腫瘍診療ガイドラインが基準とするエビデンスレベルです。
上表からすると、メタアナリシスのエビデンスレベルはⅠと最も高い研究となります。 過去に発表されたイベルメクチン治療に関する63の臨床研究論文(ネガティブなものも含む)をメタ解析したのが以下の論文です。
Ivermectin for COVID-19: real-time meta analysis of 63 studies
(COVID-19に対するイベルメクチン治療:63種類の論文のリアルタイムメタ解析)
Covid Analysis, Aug 16, 2021, Version 110
■イベルメクチン投与による新型コロナ感染の改善率
論文数 | 予防効果 | 早期治療 | 後期治療 | 患者数 | |
全ての研究 | 63 | 86% [75‑92%] | 72% [55‑82%] | 40% [24‑52%] | 26,422 |
査読済み論文 | 42 | 86% [73‑93%] | 75% [61‑84%] | 43% [21‑59%] | 16,455 |
ランダム化比較試験 | 31 | 84% [25‑96%] | 61% [46‑71%] | 30% [2‑50%] | 6,561 |
■メタ解析による治療段階別の結果
治療開始時期 | ポジティブな効果を 報告した論文数 | 全論文数 | ポジティブな効果を 報告した 論文の割合 | 効果のない治療法でも、 同等以上の割合で肯定的 な結果が得られる確率 |
早期治療 | 24 | 27 | 88.90% | 4万1000分の1 |
後期治療 | 20 | 22 | 90.90% | 1万7000分の1 |
予防 | 14 | 14 | 100% | 1万6000分の1 |
全ての研究 | 58 | 63 | 92.10% | 1兆分の1 |
以上のメタ解析の結果からは、イベルメクチンは新型コロナの予防および治療に、十分な効果があることが示されました。特に予防と早期治療の効果は顕著です。
■既存の新型コロナ承認薬との比較
治療薬 | 研究の数 | 患者数 | 改善率 | 承認状況 |
ブデソニド (UK) | 1 | 1,779 | 17% | 認可済み |
レムデシビル(USA) | 1 | 1,063 | 31% | 認可済み |
抗体カクテル療法 (USA) | 1 | 799 | 66% | 認可済み |
イベルメクチン | 63 | 26,398 | 68% [60‑75%] | 保留中 |
上表は、イベルメクチンのエビデンスの量を、他のCOVID-19治療薬の承認に用いられたものと比較したものです。COVID-19に対するイベルメクチンの効果を支持するエビデンスは、治療法の承認に用いられる一般的なエビデンスの量をはるかに超えています。
論文の中で、著者は以下のように述べています。
「COVID-19の制圧は、ウイルスの進化との戦いである。現在および将来のすべての亜種(変異株)に対して100%利用可能で効果的な治療法、ワクチン、介入はない。実用的で、効果的で、安全な手段はすべて使用されるべきである。治療法の有効性を否定する者は、COVID-19が流行するリスクを高め、死亡率、罹患率、および付随的な損害を増加させる責任を負っている。」
次に、イベルメクチンの二重盲検法(にじゅうもうけんほう)による臨床試験をご紹介します。二重盲検法(Double blind test)とは、特に医学の試験・研究で、実施している薬や治療法などの性質を、医師(観察者)からも患者からも不明にして行う方法で、プラセボ(プラシーボ)効果や観察者バイアスの影響を防ぐ意味があります。この盲検化を含んだランダム化比較試験(RCT)は、上述の表ではエビデンスレベルⅡとなり、客観的で信頼性の高い根拠とされます。
イベルメクチンの二重盲検ランダム化比較試験
Favorable outcome on viral load and culture viability using Ivermectin in early treatment of non-hospitalized patients with mild COVID-19 – A double-blind, randomized placebo-controlled trial( 軽症のCOVID-19の非入院患者の早期治療にイベルメクチンを用いた場合、ウイルス量および培養生存率に良好な結果が得られる-二重盲検無作為化プラセボ対照試験)
この論文は、イスラエルのSheba Medical Center(シェバメディカルセンター)の臨床研究に基づいております。シェバメディカルセンターは、Newsweek誌の「世界の病院トップ10」に何度も選出されている最先端の病院です。
以下は、Newsweek誌の「2020年度版 世界の病院トップ10」ですが、第9位にランクインされ、カバー画像にもなっております。
「The World’s Best Hospitals 2020」
ちなみに日本の病院の最高位は、聖路加国際病院(St. Luke’s International Hospital)が16位、東京大学医学部附属病院(The University of Tokyo Hospital)が18位にランクインしております。
この二重盲検では、18歳以上のコロナウイルスの陽性と判定されていたボランティアを 2つのグループに分け、50%はイベルメクチンを投与され、50%はプラセボを投与されました。投与量は疥癬(ダニの一種)や寄生虫の治療にも使用されている0.2mg/kgを3日間投与という、一般的な量です。
結果は、治療開始から6日目には、イベルメクチンを投与された患者群の72%でウイルスが陰性化したのに対し、プラセボ群では50%でした。また6日目の他人への感染力を持つ割合は、イベルメクチン投与群では13%に対し、プラセボ群では50%と約4倍もの差があった。
この結果は、イスラエルで最大の発行部数を誇る日刊英字新聞「エルサレム・ポスト」に掲載され、同国で行われた二重盲検試験は、1981年以来、世界中で使用されている安価な抗寄生虫薬であるイベルメクチンがCovid-19 の感染持続期間と感染力の両方を低下させると結論付けました。
一方で、実際に使用を検討するには、やはり副作用が気になるところだと思います。
イベルメクチンの安全性については実際どうなのでしょうか?
新型コロナ治療薬の有害事象および死亡者数の比較
■新型コロナ治療薬に関する有害事象と死者数の比較
この表は、米国のCDCとFDAのデータを元に、新型コロナ治療薬などの有害事象や死者数に関して、2021年6月末時点のDataで比較を行っております。
この結果によると、新型コロナ治療で認可されてきたワクチン 、レムデシビル、デキサメタゾン(ステロイド)、タイレノール(カロナールと同じ解熱鎮痛剤)などを比較すると、ワクチンやレムデシビルなどの新薬の危険性が大袈裟ではないことが理解出来ます。
またこれら治療薬と比べ、イベルメクチンの安全性は遜色なしと言えるでしょう。
もちろん、年間流通量がないと単純比較は出来ないにせよ、イベルメクチンは米国でも多量に流通しておりますので、その割には安全性が高いことが分かります。
また、新型コロナワクチン とインフルエンザワクチン を比較すると、その有害事象や死者数の違いは明白です。
これを見ると、本来危険性の低い薬品の副作用を煽り、逆に危険性の高い薬品の安全性を喧伝する偽りの情報が巷に氾濫しているのは明らかなので、やはり世論操作というのは怖いと感じます。これ程、情報が偏っている現状に、某大統領が「フェイクニュース」としきりに訴えていたのも、頷けます。
総括(まとめ)〜イベルメクチンの有効性〜
- メタ解析や二重盲検ランダム化比較試験などエビデンスレベルが高い研究で、世界的にイベルメクチンの有効性が次々に示されている。
- イベルメクチンは他の新型コロナ治療薬と比較して副作用が少なく、安全性の高い薬剤である。
- 以上より、新型コロナ感染の予防および治療において、イベルメクチンは高い推奨度をもって使用されるのが望ましいと考えられる。
以前から有用性に気づいている方は、医療関係者に限らず、既にイベルメクチンを備蓄していますが、イベルメクチンが日本全国で普及するためには、いくつかの課題があります。
現状の課題
以下の記事で、東京都医師会の尾崎会長がイベルメクチン普及の課題点を述べておられます。
東京都医師会の尾崎会長への緊急インタビュー
(聞き手・構成 科学ジャーナリスト馬場錬成氏)
上記記事を引用し、課題点をまとめると、
課題1、イベルメクチン(商品名 ストロメクトール)の国内流通量が限定されている
日本の承認薬を供給する企業とその先にあるアメリカのメルク社の供給体制に制約がある。メルク社は新薬を開発中であるせいか、疥癬などの皮膚病以外に使わせないとの意向が働いている。つまり、新型コロナに使うといっても、実際にはメルクが供給しなければ国内のイベルメクチン供給には結びつかない。医師がイベルメクチンの処方を書いても、薬局には薬剤がない。これでは事実上使えないことになる。
課題2、ジェネリック製品を利用できない
イベルメクチンのジェネリック薬品は中国、インドなどでも大量に製造されており、メルクが出さないなら、それを輸入して供給する手段がある。『新型インフルエンザ等治療用特定医薬品の指定及び使用に関する特別措置法案』(日本版EUA整備法案)が成立すれば、ジェネリック製剤も使用できるようになる。しかし、現時点では政府に動きが見られない。
課題3、被害救済制度の対象になっていない
イベルメクチンはすでに世界の多くの国で使われ、用法や用量、安全性・有効性などが確認されているのに、日本ではまだ臨床試験段階でそうはなっていない。このため、イベルメクチンは医薬品副作用の被害救済制度の対象になっておらず、医師が使いにくい状況である。しかし、そういう不安と不利な状況の中でも、イベルメクチンの効果を確信している医師たちの中には、自らの責任でイベルメクチンを処方している医師が出てきている。
課題4、日本の学術界(研究者)に実行力が乏しい
イベルメクチンは大村智博士が発見し、その世界的貢献からノーベル賞を受賞された。本来なら日本が世界に先駆けて取り組む実行力があるべきだ。南米、アジアなどでイベルメクチンが新型コロナに効いているという結果をアメリカの臨床医師たちのグループ(FLCCC)が発表し、イギリスのBIRDなどの医師グループは、多くの論文を総合的に分析したメタ解析から『効果あり』を確信し、世界中の医療現場にイベルメクチンを推奨している。
学術現場の研究者や大学の先生は自分でリサーチをやらず、WHOのような国際機関や欧米の大きな保健機関が出した『イベルメクチンはコロナに効くかどうかは未確定』という見解を自分たちの見解にしている人が多い。自分でやりもしないで批判ばかりしている評論家や研究者・学者がいるのは嘆かわしいことである。
以上がインタビューで述べられた課題点の要旨ですが、この現状だと日本でイベルメクチンが正式に認可され、普及するのはまだまだ時間がかかりそうですね。
しかし、現在はオンラインのネットショップ経由で簡単に個人輸入が可能なので、医療関係者に限らず、一般の方でもいざという時に備え、備蓄している方が増加しているようです。
ただ、いくら安全性が高いとは言っても、投与量には注意が必要です。また妊婦や幼児などは、一般の容量でも安全性は確認されていないため、控えるべきでしょう。
参考までに、日本で承認されている適正投与量および欧米で採用されているイベルメクチンの投与方法を記載しておきます。
イベルメクチン投与のプロトコール(レジメン、レジュメ)
【日本で承認されているイベルメクチンの飲み方】
・1回につき0.2mg/kgを服用。 例:体重60kgであれば、1回12mg。
・線虫症では2週間間隔で2回服用する。
・疥癬の場合はまず1回だけ服用し、その後感染が認められた場合は再投与を検討する。※角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の場合は最低2回の服用が推奨される。
・いずれも空腹時(食後2時間)に水だけで服用。牛乳や乳製品で飲んではいけない。
【米国医師連盟FLCCCが採用しているプロトコル】
1、予防に関する投与方法
「ハイリスクの方のための予防治療」:医療従事者や密を避けられない職業など
・1回につき0.2mg/kg(食前または食後)。 例:体重60kgであれば、1回12mg。
・当日1回服用、48時間後にもう一度、以降週1回服用。
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)曝露後の予防治療」
:陽性者と濃厚接触など、新型コロナウィルスに暴露した後の予防。
・1回の投与量は0.2mg/kg。
・1日目に1回の投与を行い、48時間後に2回目の投与をする。
2、早期治療(軽症患者)に関する投与方法
:コロナ陽性となり、重症化する前のイベルメクチンの服用方法です。
・1回につき0.2~0.4mg/kg(食前または食後)。 例:体重60kgであれば、1回12~24mg。
・1日1回、5日間、または回復するまで内服。
FLCCCのプロトコールは、日本で承認されているものより高用量ですので、効果が期待出来る反面、副作用のリスクが高まることは念頭に置く必要があります。
最後に
イベルメクチンの有効性を認めることは、ワクチン政策を危険にさらす可能性があるためか、WHOや先進国の政府機関はなかなか認可を下ろさず、イベルメクチンの普及の足枷となってきました。
しかし、多数の臨床研究が示すように、イベルメクチンがその他の新型コロナ治療薬と比べ、低リスク、低コストでより多くの命を救うことをデータは示しており、現時点でイベルメクチンはパンデミックをすぐに終わらせる可能性のある薬剤です。
実際、米国のFLCCCや英国のBIRDのようにイベルメクチンを使用している医師たちのグループがおり、イベルメクチンは非常にうまく機能しています。またインドでは新規感染者数を劇的に抑え込んでいます。そういった医師や研究者達の努力の結果、現在、イベルメクチンは世界人口の約23%に使用されています。
日本でも北里大学病院をはじめ、東京都医師会や神戸の長尾クリニックのように積極的に海外の知見を取り入れ、イベルメクチンの普及を推進する動きが活発化してきています。
大事なのは、国際機関、政府機関、製薬会社、主要メディアなど権威筋の情報を盲信せず、一人一人が柔軟に本質を探求することだと思います。