コンバージェンス(技術融合、convergence)とは
「コンバージェンス」とは、もともとは収束や統合といった意味で使用されていた言葉で、日本では国際会計基準の統合という意味で使われることが多かったのですが、今回ご紹介するのは、これとは全く違う意味で、主にシリコンバレーなどアメリカのビジネスパーソン(特にIT系)の間では、常識となっています。
ここで述べるコンバージェンスとは、異なる分野の既存技術同士を組み合わせ、複合的な革新的技術を創出する技術融合を指します。この方法であれば、一から新しいテクノロジーを開発する必要がなく、イノベーティブな新技術を生み出すことが可能になります。
実際、APPLE(アップル)社CEOのスティーブ・ジョブズ氏もこの手法を駆使し、iPod、iTunes、iPhoneなど数々の破壊的イノベーションを生み出しました。
ただし、この手法自体は、かつて高度経済成長期を支えた代表的日本企業(パナソニック(松下電器)、トヨタ、本田自動車、シャープ、ソニーなど)も活用し、世界的躍進の原動力としており、特に目新しいものではありません。
しかし「なぜ今、改めてコンバージェンスが重要なのか?」と言うと、現在、5G〜6G時代を迎え、膨大なデータ通信が瞬時に行える環境、AIの発展などによる情報処理能力(データサイエンス)の大幅な向上、画像処理能力の大幅な向上などが同時多発的に発生し、技術情報の共有と統合のスピードが加速度的に上昇しており、テクノロジーの指数関数的な進化の波が到来しているからです。
これにより、2030年までに、量子コンピュータ、クラウド、Iot、AI、ロボティクス、ナノテクノロジー、自動運転、XR(メタバース)、ブロックチェーン、ドローン等の先端技術が相互にコンバージェンスを起こし、破壊的イノベーションが爆発的に生まれ、世界経済をリードすることが、確実視されています。
そして、このテクノロジー進化の波に乗れない企業は、次々と淘汰されていくでしょう。米国の研究によると、既存の世界的優良企業もかなりの割合で淘汰されると予測されております。これから日本企業も、このコンバージェンスを速やかに実践し、破壊的イノベーションを生み出さない限り、グローバルな生存競争を勝ち抜くことは、もはや困難となっているのです。
コンバージェンスを実現し、破壊的イノベーションを起こすには?
数々の破壊的イノベーションを生み出した、Apple(アップル)社のCEOスティーブ・ジョブズ氏は、自身が興味をもつ技術や製品を持つ他社は積極的に訪問し、開発者から直接話を聞くなど、創業期から外部技術をいかに取り入れ、融合させるかを日常的に考えていました。
日本ではSONYの創業者兼会長、盛田昭夫氏、Sharp(シャープ)の伝説のエンジニア、佐々木正氏ら偉大な発明家に会うために何度も来日。“今後進むべき方向性”を相談し、そこで後のiPod、iTunes、iPhoneのアイデアを話したとされます。
この日本のレジェンド発明家達の薫陶を受けたジョブズ氏は社内リソースに限らず、活用できるものは積極的に外部から何でも取り込み、その後のアップルの躍進の礎となったデジタル・ハブ構想を見事に実現しました。日本の先人達の技術や考え方がその後のアップルの飛躍を支えたと言っても過言ではないでしょう。
このように効率良くコンバージェンスを実現するには、自社に不足している構成技術やリソースを的確に認識し、それらを外部から導入する必要がありますが、そのためには、有望企業に瞬時にリーチできる環境の構築が重要となります。
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